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●少年審判のあり方

日本弁護士連合会は、永い間、少年法の改正については否定的な立場をとってきた。その理由は、少年法の立法主旨である「少年の保護主義」にこだわったからである。しかし、こうしたかたくなな態度のため、法制審議会の少年法部会は、20年以上も機能停止の状態に陥っていたのである。ところが、この間、現実の少年たちは驚くような変貌をとげ、信じられないような「悪」に成長してしまった。凶暴な日常は後を絶たず、親を殺すという非日常的な行動は、事件としては珍しいことではなくなってしまった。その象徴的事件が、平成9年におこった神戸の連続小学生殺害事件である。

こうして、平成10年4月、日弁連の「子供の権利委員会」は、従来の態度を改めて、一定の条件のもとで、少年審判に検察官の出席を認めるという方針を打ち出し、最高裁・法務省との法曹三者協議も動き出したのであった。

●少年法改正の動向

少年法を厳罰化する方向で改正すべしとの意見は、政府・自民党側に強い。注目されるのは、刑事罰の対象年齢を現在の「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げるべきとの意見である。「凶悪事件をおこせば中学生といえども刑務所に入れる」方針は、野党や実務家に予想以上の反対があるようで、自民党は法案を国会に提出しても成立する見通しが立たない判断したのか、議員立法として国会に提出するのは諦めたようだと報じられている。

これとは別に、政府においても、少年審判改革のための少年法の改正作業を進めていて、平成11年3月9日の閣議において、少年法改正案を決定した。それによると、検察官関与を審判のひろい範囲で認めるものである。しかし、野党側は一様に反対しているから、政府案通りに成立するのはきわめて困難だとされている。このため、自民党は、政府案の修正を前提にして、政党間の協議が必要との方針を決めたようである。

協議では、@検察官が関与できる審判の範囲の絞込みや、A検察官の抗告権の削除、B最長12週としている少年の身柄拘束期間の短縮、などが問題点となっている。こうした政府案の修正を前提としなければならないという実情は、弁護士等実務家の反対が背景にあるからである。もっとも問題にしているのは、少年法の「保護法」の理念が損なわれるというのである。

●加害者の人権か被害者の人権か

少年法の改正がなかなかうまく進まない背景には、加害者の人権が、被害者側の人権に比較して過度に保護されているのではないか、との批判が大きくなっていることと関係があるように思う。少年事件を含む全事件について、平成11年4月以降、検察官の事件処理の結果を被害者に伝える「被害者通知制度」が発足したのも、少年法改正問題と無関係ではないのである。

 

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