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●序

いわゆる日本版ビックバンで、新型の金融商品などが売り出され、各分野で規制緩和が進められようとしている。規制緩和は、一面、自己責任の徹底でもあるから、取引に慣れていない若年者や高齢者は、損害を被るおそれがある。取引についての情報や交渉力において、事業者と消費者の間に大きな較差があることも予想される。

これらの背景から経済企画庁は消費l者の保護を目的として、包括的な契約ルールを検討してきたが、平成10年1月21日、首相の諮問機関である国民生活審議会が中間報告をまとめた。「消費者契約法」(仮称)である。

●立法化の狙い

各分野で規制緩和が進められれば、悪徳商法が現れて消費者との間にトラブルが頻発することが予想されるから、契約のルールをつくることは意義がある。したがって、新法は民商法の特別法に位置づけられ、事業者と消費者間で締結されるすべての契約に適用されるとしている。考えられるルールは二つある。

まず、消費者が勧誘を受けたときなど、@契約締結過程の問題がある。重要な情報が告げられなかったり、不実のことを告げられたり、脅迫めいた勧誘をされたりした場合には、契約を取り消せる。たとえば、証券会社員からリスクを伴ったワラント債の購入を勧められ、「危険はない」とか「損はさせない」とかいわれた場合とか、英語講座の受講を電話で勧誘され、書類を送りつけられ「契約しないと給料を差し押さえる」などと脅かされた場合が、これにあたる。

もう一つは、A契約内容の問題である。消費者の利益を損なう不当な条項は無効となる。例えば、美容整形の失敗で炎症を起こしても、別の病院で治療をする場合の治療代を支払わないなど、事業者責任を不当に軽くする条項や、事業者に一方的に有利な条項も問題である。賃貸マンションを明け渡す際、敷金を没収したうえ、リフォーム代を請求するなど、消費者に過重な負担を強いる条項も無効となる。

●不当な契約条項かの判断

不当化どうかの誰が判断するかも問題だ。例えば、事業者が人身損害の責任を負わない旨を定めた契約は明らかに無効である。こうした条項は、法律本体か政省令に、「ブラックリスト」として明記することになっている。短期間に不当に高く値上げするなど定めた場合、何が「不当」なのか、その解釈で議論が分かれる条項は、「グレーリスト」としている。

消費者が裁判に訴えた場合、グレーリストの不当条項にあたるかどうかの立証責任は、消費者には無理と思われるので、事業者に負わせるべきとの意見が有力である。しかし、経済界には反対の意見がある。

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