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平成10年9月、改正労働基準法が公布され、一部を除いて平成11年4月1日から施行された。労働契約の期間を一定の場合に限って3年とすることを認めた点、転職を容易にするために旧雇用主が交付すべき書類、女性労働者の保護規制の緩和に伴う代替措置、などが主な改正点である。
終身雇用という慣行が大きく崩れ、若年労働者を中心に現在の自分の能力を高く評価してくれる職場を求めて転職することは当然との考え方が広まる一方で、中高年以上の労働者はリストラなどで職場を失えば再就職が困難で、むしろ安定した職場を求めるという時代の流れが生じていることが、この度の改正の背景にある。主な内容は以下の通りである。
(1)有期労働契約期間の上限の延長
これまでは労働契約の期間の上限は1年を原則とする(14条)とされていたが、改正により、新商品や新技術の開発等に必要な高度の専門的知識、あるいは新規事業など一定期間を要するがその期間内に業務が完了することが予定されているものに必要な高度の専門的知識を有する労働者が不足している状態で、事業所がこのような労働者を新たに雇い入れる場合は、3年間以内の労働契約を結ぶことができることとなった。また、満60歳以上の労働者については3年以内の期間で契約することができるとされた。
(2)労働条件の明示
労働契約の締結時には、事業主は労働者に労働条件を明示する義務がある(15条)が、改正により「労働契約の期間、賃金の内容、就業場所、業務内容、就業時間、退職に関すること、休日休暇等」については書面で明示しなければならないとされた。
(3)退職時の証明の交付義務
退職時に労働者が「それまでの使用期間や賃金」を請求した場合には使用者は遅滞することなく交付しなければならない(21条)とされていたが、これに「退職時の事由」が追加された。これなどは、転職を容易にすることに対応しているといえるであろう。
(4)年次有給休暇の拡大
年次有給休暇(39条)も、雇用された後2年6ケ月までは1年ごとに1日の年次有給休暇を加算付与すべきことは従来通りであるが、3年6ケ月目からは1年毎に2日を加算付与すべきとされた。勤続年数1年以上の者は1日、2年以上の者は2日、3年以上の者は4日、4年以上の者は6日の年次有給休暇を加算付与されることになる。有給の上限20日で打ち止めとなるのは従来どおりである。
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