●日常生活の法律特集

 

 

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●法律制定の背景

「ボランティア」という言葉は、もはや我々市民社会に定着した感がある。それは神戸の大震災や日本海でおきたロシア船タンカーの重油漏出事故の発生で、全国から多くのボランティアの人々が現地に駆けつけて活躍したことから、その意味も含めて広く認識されるようになった。しかし、これらの活動は、非営利組織であることから、ボランティア活動が盛んになればなるほど、その組織の維持や活動に不便さを感じることも多々あったのである。不便さの原因の最たるものは、非営利組織に法人格を認める方法がない、ということである。したがって、非営利組織の代表ないし責任者は、個人名義を表に出して動くことになる。これでは、重要性を増しつつある市民公益活動に行政が適切に対応しているとは言いがたい。

●特定非営利活動促進法の施行

そこで、市民の公益活動を行う非営利組織に法人格を与え運動を支援する目的で、各政党はいろいろ案を出してきたが、平成10年3月19日、「特定非営利活動促進法」が成立し、法律第7号として25日公布され、平成10年12月1日から施行された。主な内容は以下の通りである。

(1)
「特定非営利活動」とは、保健、医療、福祉、災害救援、国際協力など12の分野を別表で定めて、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。

(2)
「特定非営利活動法人」とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的として、次の各号のいずれにも該当する団体で、この法律によって設立された法人をいう。

@
社員の資格に不当な条件をつけず、また報酬を受ける役員の数が役員総数の三分の一以下で、営利を目的としないこと。

A
行う行動で、宗教に関わらないこと。政治上の主義主張をしないこと。特定の公職の候補者や政党を推薦し支持しまたはこれに反対することを目的とするものでないこと。

B
設立の申請に対し、適合条件がチェックされる。暴力団またはこれらの統制下にある団体には許されない。また申請法人が10人以上の社員を有していなければならない。

C
事業報告書、財産目録等、貸借対照表等を作成して事務所に備えおくこと。またそれを社員その他利害関係人に閲覧させること。

D
所轄庁は、認証した法人に法令違反等の疑いがある場合は、一定の介入ができる。改善命令に違反した場合は等は、設立の認証が取り消されることがある。

E
税制上の優遇措置はなく、今後の課題とされている。

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