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新聞などでは女性勝訴の報道も多いが、敗訴となる例もある。それは立証の困難による。セクハラの事実、内容を証明しようとしても、当事者だけしかいないところで行われたり、目撃者がいても職場の同僚や知人で、立場上使用者に不利な証言が期待できないからである。最近の参考となる二つの判例を紹介する。
@のケース(女性勝訴)
「AV見たことある?」、言葉のセクハラに賠償命令、の見出しで報道された。従業員約40名の運送会社に事務員として新入社した18歳の女性Aが、社長から入社間もなく「Aちゃんは処女か?」「出身校の女の子は平気でお金欲しいからといってくる」「AVビデオ見たことあるか」などと言い、食事に誘った際、「Aちゃんが欲しいねん」「ホテルに行っても暗いからわからへん」「明日金もってくるから」などと、Aの意思を無視して、性的嫌がらせという言動を繰りか返された。Aは高校時代の先生に相談したりしたが、精神的ショックから体調をくずし、5ケ月で退職した。Aに対する人格侵害を認めて、社長に対して50万円の慰謝料支払いを命じた。
Aのケース(女性敗訴の後、逆転勝訴)
大手ゼネコンSの子会社TのY営業所に、アルバイトを経て正社員になった24歳の女性Bと営業所所長甲(Sから出向)とのセクハラ紛争。Bによれば、甲は「席近くを通るときロングヘアの頭髪を撫でる」「束ねて弄ぶ」「腰をいためた時私の手は人より暖かいんだといって腰を触った」二人きりになった時、後ろから突然抱きつき、20分間位強引に首筋、顔、口に唇を押し付け、胸、腰、股間を触った、という。Bは半年後に退職した。
一審は、密室で二人きりでのセクハラ行為について、原告女性が逃げたり、大声を上げるなどして助けを求めなかったことなどを理由に、原告の供述は信用できないとして請求を棄却した。
二審の東京高裁は、「部下と上司という職場での人間関係や同僚との友好関係を保っていきたいという抑圧が働き、この女性が悲鳴を上げて助けを求めなかったからといって供述内容が不自然とはいえない」として、密室でのセクハラ行為の事実を認め、甲と出向先会社に計275万円の支払いを命じる逆転判決を下した。
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